UiPathでロボット実行中に同じPCで自分の作業をしたい!
普段行っている時間のかかる作業を自動化できた✨🎈
ロボット君が頑張ってくれてる間に、違う作業ができるぞ🚀🔥
と喜んだのもつかの間、同じPCでロボットを実行すると、マウス操作と干渉して自分の作業ができないわ、ロボットは止まってしまうわ(;´・ω・)
嬉しいはずの自動化が、ただただ切ない気持ちでロボットの処理が終わるのを眺めていたあなたに朗報です。
UiPathのプロセス実行中に気兼ねなく自分の作業ができるかもしれない、 Picture in Picture という機能をご紹介します。
Picture in Pictureってなに??
UiPathのPicture in Picture(略してPiPと呼ばれます)を説明する前に、一般的なPiPについて話します。
PiPを簡単に言うと、小窓表示機能であり、テレビのワイプ表示のようなものです。 これはUiPath専門の用語ではなく、YouTubeとかの動画メディアなどでよく使われるのかなぁと思います。
例えば、Google ChromeのPicture in Pictureの機能を使うと、YouTubeの解説動画を小窓表示しながら、StudioXで同じように作ってみたりできるわけです!便利ですよね。
で、UiPathのPicture in Pictureはどういうものかというと、 UiPathのロボットを小窓内で実行する機能 です。
ロボット実行用のウィンドウ(小窓)が用意され、そこでロボットが実行されるため、マウス操作の干渉や、画面が隠れてしまって止まってしまわないかなど気にすることなく、同じPC上で自分の作業ができます。
StudioXなどの個人作業の自動化などとの相性が良く、今後より活用が見込まれる機能と個人的に期待しています。
Picture in Pictureを使ってみよう
開発時、運用時それぞれの使い方を簡単に紹介します。
StudioXからの実行(開発時)
とっても簡単です。実行する際に PiPで実行 を選択するだけです。
Studioからの実行(開発時)
[デバッグ]タブの ピクチャ イン ピクチャ を選択状態にして実行すると、PiPで実行されます。
UiPath Assistantから実行(運用時)
実行したいプロセスの、「…(その他の操作)」から、PiPで開始 を選択します。
FAQ
とっても嬉しいPicture in Pictureですが、いざ使ってみると、特に最初はよくエラーになると思います。
まだまだ不安定😅というわけではなく、初回起動時や、ブラウザの設定などをしてしまえば、そこまで不安定でもないと思いますので、私が遭遇したものを備忘録として残しておきます。これが全てではないので、解消しない場合は、公式サイトやForumも見てみてください。
タイムアウトエラーが発生する
PiPセッションでプロセスを開始するためのデフォルトのタイムアウトは60秒とのことです。
初回起動時は時間がかかることもありますが、一度立ち上げてしまって、閉じずにそのまま置いておけば、次回実行時にはタイムアウトすることなく進められるはずです。
どうしてもの場合は、PCの環境変数[UIPATH_SESSION_TIMEOUT]を書き換えることでデフォルトのタイムアウト時間を変更することが可能です。
Google Chromeの要素認識に失敗する
PiPセッションでは、Google Chormeの拡張機能は初期化されて無効化状態になっているので、初回起動時に手動でGoogle Chormeの拡張機能の有効化を行う必要があるようです。
UiPath Orchestratorからトリガー実行(Unattended Robot)するときに、PiPで実行したい
Unattended (無人の) ジョブは、ピクチャ イン ピクチャ セッションで開始できない制約があるようです。
既定動作をPiPで実行するようにしたい
ワークフローのプロジェクト設定で、PiPで開始 を「はい」に設定してパブリッシュします。そうすると通常の実行ボタンでも、PiPで実行されます。
「このプロセスを開始しますか?」とメッセージが表示される
ワークフローのプロジェクト設定で、PiP対応確認済 が「いいえ」になっていると表示されます。
開発時にテストして問題ないことが確認できれば、「はい」を選択しましょう。
Outlook操作に失敗する
Outlookを使用する自動化プロセスをPiPで実行したい場合、手元のOutlookプロセスは終了している必要があります。 自作業ウィンドウと、PiP両方でOutlookを使うことはNGということです。
Excel操作に失敗する
自作業ウィンドウと、PiP両方で同じExcelファイルの操作はできません。 PiPが操作するファイルは自作業ウィンドウでは閉じておきましょう。
そのほか、UiPath公式Document Portalにも注意点や制限事項が記載されていますので、一度目を通しておくといいかと思います。
まとめ
- PiPを使うとUiPathのプロセス実行中に同じPCで自分の作業ができる
- 開発時に動作確認し、パブリッシュ前にプロジェクト設定でPiP関連を定義しよう
- Unattended Robotでの実行はPiP対応していないから注意しよう
- Outlook操作がある場合、制約になるかもしれないので注意しよう
- 初回はつまづくことも多いが設定すればそこまで不安定ではないので活用しよう
以上です!